INDEX / 一幕:絹の繭玉

 呪いだよ、と青年は言った。


 これは血が続く限りの呪い。世界が続いて行く限りの呪い。
 ――愛の残り香。


『楽園の主は失われた。

 されど、この地は守らねばならぬ。

 姫君を失いし楽園の守護者よ。

 その身をもって滅びを鎮め、

 それゆえ、

 この『楽園』から逃れることを禁ず』


 愛していたよ、と青年は囁く。月夜に拾ったあどけない歌声のように。誰より孤独なきみのことを。きみの孤独を。あいしていたよ。きみがいなくなっても、まだ。ずっと、永遠に。だから。


 呪いだよ、と青年は笑った。


 かくして。『楽園』は閉ざされ。
 呪いが巡る。

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